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知らないとこわい!パン食がお勧めできない7つの理由

総務省の家計調査では、米の消費額が減少傾向にある一方、1世帯あたりのパンの消費額は年々大きくなっています。

平成23年には初めて米の消費額を上回る程になり、日常的に日本人の食卓に上る主食の一つになったといえます。

それもそのはず、最近のパンは、どれもおいしくて、種類が豊富で飽きないなどメリットが数多くあります。

また、米を仕掛けて炊くなどの手間がかからず、慌ただしい朝の時間に手っ取り早く摂ることができるし、日もちもするのでとても便利です。

しかしその一方で、健康に対して悪い影響を及ぼすリスクがあるため、パンを日常的に摂る習慣はお勧めできません。

ここでは、パン食がお勧めできない7つの理由について解説します。

つじ丸

1.血糖が急上昇しやすい

消化が良く血糖が急上昇しやすい(高GI値)

まず、パンの主原料は精製された小麦(小麦粉)です。これは、消化が良く、血糖が上昇しやすいという問題があります。

GI値は「グリセミック指数」のことで、ブドウ糖を摂った時の血糖上昇を100とした時の、上昇のしやすさを表したものです。

70以上のものは、急激に血糖が上昇しやすいことを意味していますが、パンの場合は GI値が 90〜95 で非常に高く、血糖が上がりやすい食物の代表です。

急激な血糖上昇は、膵臓からのインスリンの過剰な分泌を招き、急激な血糖の下降から、空腹感、イライラ、異常な眠気などを引き起こします。

このような血糖の急激な変化は、インスリンによる脂肪合成の増加から、内臓脂肪・体重の増加、糖尿病リスクの上昇に繋がります。

腹持ちが悪いため間食につながる

血糖が上昇しやすく急降下しやすいということは、すぐにおなかが空くということ。

すると、空腹感、イライラなど血糖低下に伴う症状を和らげるために間食がほしくなります。

パン食をメインにすると、デスクの引き出しや台所などにお菓子を買い置きしておくような行動を自然ととるようになります。

そして空腹を感じるたびにお菓子を口にするのです。

結局、パンを食べることで体重増加を招く食行動につながりやすいわけですね。


2.食物線維が少なく成人病リスクを高める

従来から三大栄養素といえば、炭水化物、たんぱく質、脂質ですが、これにビタミンとミネラルを加えたのが5大栄養素といわれているのは、ご存知の通りです。

最近の研究で、食物線維にはさまざまな健康効果があることが分かり、「第6の栄養素」とまで言われるようになりました。

しかし、パン食中心になると食物線維がどうしても不足しがちになります。

食物線維が不足するとどういう問題があるのか、解説します。

食物線維の不足は、がん・肥満・高血圧・糖尿病のリスクを高める

食物繊維には、以下のような健康効果が確認されています(「食物線維を上手に摂るには」)。

  • 血糖値を下げる
  • コレステロール値を下げる
  • 血圧を下げる
  • 排便回数の増加(便通の改善)
  • 腸管でのミネラル吸収の増加
  • 適正な体重の維持(食物繊維が満腹感を促進するためなど)
  • がんや虚血性心臓病で死亡するリスクを低下させる

裏を返せば、食物線維不足は、肥満や高血圧・高脂血症・心臓病のリスクを高め、便通に関する問題を引き起こしやすく、がんで死亡するリスクが上昇するということ。

小麦粉を主原料とするパンは、食物線維が極端に少ないため、パンばかり食べていると食物線維不足に陥る危険性が高くなるのです。

その結果、食物線維を十分摂っている人と比べて、種々の成人病にかかったり死亡するリスクが高まるということです。

パン食で食物線維を補うためには

食物線維という観点からいえば、パンをいっさい口にするなという訳ではありませんし、白米でも同じことであり、いくつか工夫が必要です。

食物線維を補うというためには、白いパンではなく、全粒粉やライ麦を使用したパンなど食物線維を多く含むものを選ぶようにしましょう。

もしパンを食べる時は、パンとコーヒーだけで済ますというような食事は避けたいものです。

意識して食物線維を補うような十分な野菜や豆類、海藻類などを必ず一緒に摂るように心がけましょう。

それでも実際のところ、野菜などを一緒に摂ることで十分な量の食物線維を摂るのは難しいものです。

別の記事「食物線維を上手に摂るには」を参照して下さい。


3.種々の病気の原因となるグルテンを含む

グルテンとリーキーガット症候群

グルテンは小麦粉製品の中に含まれるタンパク質の一種です。

小麦粉をこねるなど加工の過程でグリアジンとグルテニンというたんぱく質が網の目のようにくっつくことでできるものです。

パンのモチモチした食感はこのグルテンによるところが大きいのですが、問題は、人間はグルテンを完全に消化できる酵素を持っていないことです。

グルテンの構成成分のうち、特にグリアジンは、粘膜に対して「ゾヌリン」というタンパク質の分泌を促し、粘膜の細胞と細胞の間の結合を緩めます。

これにより通常では進入しないような異常な粒子が、粘膜の上皮細胞の間隙から体内に侵入しやすくなります。

するとリンパ球をはじめとする免疫細胞の標的(抗原)になる可能性があり、種々のアレルギー反応の原因になる恐れがあるのです。

本来、異物からからだを守るためのバリアとして働く腸の粘膜から、血管内に漏れて入ってくるという意味で「リーキーガット症候群」という言葉を使用される場合もあります。

「リーキー(Leaky)」というのは、「漏れやすい」ということ、「ガット(Gut)」は「腸」の意味です。

つまり、リーキーガット症候群とは、腸の壁のバリアシステムが弱まって、通常は進入しないような物質が血管内に漏れて入ってくることにより異常をきたす病態です。

異物侵入により引き起こされる病気

リーキーガット症候群では、腹痛、下痢、おなかが張るなどの消化器官の不調を示す症状が現れます。

怖いのは、粘膜の間隙からの侵入者を「異物」と認識した免疫細胞が、これに似たアミノ酸配列のタンパク質が存在する正常の細胞をを誤って攻撃し始めるのです。

いわゆる「自己免疫疾患」です。

橋本病(慢性甲状腺炎)、1型糖尿病、慢性関節リウマチなどの膠原病などがそれにあたります。

そのほかにも、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、にきび・薄毛・皮膚炎、頭痛、うつ病、神経障害や認知症、不妊などあらゆる病態の一因になっているという学説もあるのです。

(Photo by Nadya Spetnitskaya on Unsplash

特にグルテンに強い反応を示し、腸管粘膜の炎症を引き起こす「セリアック病」という病気があります。

欧米人の頻度は1%程度で、日本人の頻度はずっと少ないと想定されていますが、詳細な研究はありません。

セリアック病でなくても、グルテンに対する過敏症状を有する人が一定数おり、「非セリアックグルテン過敏症」(Nonceliac Gluten Sensitivity: NCGS) といわれています。。

上記の症状に心当たりの症状がある人は、パンをはじめとする小麦製品を一定期間(2〜3週間)一切摂らないようにして(グルテンフリー)良い反応があるか確かめてみるのも良いかもしれません。

そして自覚症状が改善すれば、グルテンが原因(グルテン不耐症)の可能性が高いといえます。

そして、再開して症状が再燃すればパンをはじめとする小麦製品が原因の可能性がほぼ確定です。

私の患者さんにも、パンや小麦製品を止めて、慢性的な下痢が治まったとか、にきびや肌荒れが治った、アレルギー性鼻炎が良くなったなど、長年悩んでいた症状が改善したという方がいらっしゃいます。

また、朝食のパンをやめて必ずご飯にしたところ、小学生の子供のイライラがなくなったというおかあさんもいました。

病院に行って薬で症状が改善しない人、改善しても薬がやめられない人も一度グルテンフリーダイエットはやってみる価値があると思います。


4.好ましくない脂質を摂る機会が増える

好ましくない脂質とは、主に「トランス脂肪酸」のことです。摂りすぎると動脈硬化や虚血性心臓病のリスクが高まることが知られています。

パンを中心とした食生活は、結果的にこのトランス脂肪酸を多く摂ることになる危険性があり、注意が必要です。

以下にその理由についてお話します。

原材料に含まれる「トランス脂肪酸」

パンは小麦粉のほかに、バターなどの油脂が練り込まれています。

最近は、より食感をよくするためにバターの代わりにショートニングを使ったり、安価なマーガリンを使用したりすることが少なくありません。

また、チョコレート風味などのファットスプレッドもマーガリンと同様に植物油を原料にしてつくられます。

マーガリンやショートニングは、植物油がなたね油や大豆油などの主原料です。

製造過程で二重結合が部分的に水素化され、二重結合の一部が再配置される際に水素原子が鎖の異なる側に移動します(部分水素化油:PHO)。

この時に自然界の多価不飽和脂肪酸中の炭素鎖の二重結合の一部が〝シス位〟から”トランス位” に移ることがあり、これにより生成した脂肪酸をトランス脂肪酸といいます。

おまけに食パンにマーガリンやチョコレート風味などのファットスプレッドを塗って食べると、さらに多くのトランス脂肪酸を摂取することになります。

パンばかり食べ続ける生活は、結果としてトランス脂肪酸を日常的に摂取することになり、虚血性心臓病のリスクが上昇することになるのです。

心血管疾患の原因になるため米国では食品への表示が義務づけられている

このような背景から、2015年にFDAは、部分水素化油(PHO)は「一般的に安全として認識されていない」との最終決定を発表しました。

そして、その食品が一食あたり、何グラムのトランス脂肪を含んでいるかを表示するよう義務化したのです。

トランス脂肪は牛をはじめとする反芻動物に由来する乳製品(牛乳、バター、チーズ)や肉製品など自然界にも少量含まれています。

しかし、私たちが口にするトランス脂肪酸のほとんどは、常温で液体の植物油を固体の脂肪に変える製造工程や、食用油を高熱で加工する際に生成されます。

前者の工程を水素添加といい、そのような加工油を「部分水素化油」(PHO)といい、FDAが「一般に安全とは認識されていない」として規制の対象としているのです。

ショートニング、マーガリン、ファットスプレッドの多くがこのような過程を経て製造されるとされています。

日本では規制されていない

WHOは、心血管系疾患のリスクを低減するため トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の 1%未満に抑えるよう提言し、2023年までに世界中のすべての食べ物から人工のトランス脂肪酸を取り除くことを目標としています。

これを受けて、前述の米国以外でも、EUの多くの国では、トランス脂肪酸の含有量を制限したり、表示義務を課したりしています。

カナダなど、2018年から部分水素添加油脂(PHO)を食品に使用すること自体を禁止にしている国もあります。

パン食の多い欧米各国だけではなく中国、韓国でもトランス脂肪酸の表示が義務化されています。

日本の食品安全委員会の見解では

トランス脂肪酸の摂取量について、日本人の大多数が WHO の勧告(目標)基準であるエネルギー比の 1%未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる。

しかしながら、脂質に偏った食事をしている個人においては、トランス脂肪酸摂取量のエネルギー比が 1%を超えていることがあると考えられるため、留意する必要がある。

「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価」2012

つまり、「日本人の大多数は、大丈夫。脂質に偏った食事をしている人は注意してね!」 と言っていて、表示義務を課したり、使用を制限したりする動きはありません。

一方で、日本においてもトランス脂肪酸をエネルギー比1%を超えて摂取している 人が一部存在している。トランス脂肪酸摂取量が多い人にとっては、その摂取量を減 少させることにより、将来の冠動脈疾患リスクを減少させる可能性が期待できる。」(前述「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価」)

日本でもトランス脂肪酸の危険性が認識されつつあり、「トランス脂肪酸フリー」を謳ったパンやお菓子を目にすることも多くなりました。

マーガリンのメーカー側も無視できなくなり、マーガリンの製法をトランス脂肪酸が増えにくいような方法で製造するなど、企業努力によりトランス脂肪酸の含有量は低くなりつつあるようです。

しかし、既に一般家庭の消費額でパンが米を上回るようになり、パンが主食となっている人々も多い現状では、いつまでも放置できないのではないでしょうか。

意識していないと、パンだけではなく、揚げ物、ショートニングを使用される頻度の高いお菓子やケーキなどを通して結果的にたくさんのトランス脂肪酸を摂っている可能性があります。

日常的にパン食を続けることは、そのような危険性をはらんでいることは認識しておきましょう。

(Photo by Ken Boyd on Pixabay)

5.発がん性が疑われるアクリルアミドを摂取しやすい

こんがりきつね色に焼き色のついたトーストにバターを塗って食べると、香りも味も最高ですね。

しかし注意しておきたいことがあります。

毒性が指摘されているアクリルアミドが発生しやすいのです。

高温調理でアクリルアミドが発生

炭水化物を多く含む食品を高温(120 ℃以上)で加熱調理すると、アミノ酸の一種であるアスパラギンブドウ糖果糖などの還元糖と反応してアクリルアミドが生成することが知られています。

特に低温で貯蔵したでんぷん質を多く含む食品中には還元糖が増え、これを高温で調理するとより多くのアクリルアミドが発生します。

アクリルアミドは、シーリング剤や電気泳動用のゲルの原料として使用されており、もともと神経毒性があることが知られていました。

スウェーデンのトンネル工事事故後の調査・研究から、食物の中に含まれることが判明し、さらには国内外の研究機関による動物実験などによる研究の結果、発がん性があることが疑われています。

発がん性に関して、厚労省のホームページでは以下のように記述されています。

国際がん研究機関( IARC : International Agency for Research on Cancer )による発がん性分類において、人に対する発がん性の証拠は不十分だが、動物実験における発がん性の証拠は十分にあることから、アクリルアミドは 2A(人に対しておそらく発がん性があるに分類されています。

加工食品中アクリルアミドに関するQ&A(厚生労働省)

農水省のホームページ〝食品中のアクリルアミドに関する情報〟でも告知されてはいますが、マスコミはほぼスルーしており、一般にはほとんど認知されていません。

こんがりトーストや揚げパンは危険

食パンをこんがりとトーストすると、より多くのアクリルアミドが発生することが判明しています。

ですからパンを食べるとしても焼き色があまりつかないようにすることが大切です。

油で揚げるパンやドーナッツ等も同様の理由で頻繁に食べるのは避けたほうがよいでしょう。

詳細なデータは不明ですが、パンそのものも高温で加工するものですから、その表面の焦げ色のついた部分にアクリルアミドが発生している危険性が高いと言えます。

いずれにしろ、パンを日常的に食べていると、発がん性があると考えられているアクリルアミドをせっせと取り込んでいる可能性は認識しておくべきでしょう。

アクリルアミドに関しては、別の記事「マスコミが伝えたくない事実:ポテトチップやフライドポテトの危険性について」もご参照下さい。

(Photo by Calum Lewis on Unsplash)

6.認知症のリスクが上昇する

睡眠不足、運動不足、食習慣が認知症リスクと関連しているという研究がたくさんあります。

その中でも、パンを良く食べる生活をしていると、認知症になりやすいというものがあるため、その一つについて紹介します。

認知症予防に役立つマインド食(MIND diet)

シカゴのRush大学の研究チームは、マインド食がアルツハイマー型認知症の予防に役立つことを示しました。

マインド食というのは、 Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay の略(MIND Diet)で、

  • 肥満・糖尿病などの生活習慣病のリスクを低下させることが知られる〝地中海ダイエット(Mediterranean-diet)〟
  • 高血圧予防のための〝DASHダイエッ〟(Dietary Approaches to Stop Hypertension diet)

の2つの食事法を組み合わせたダイエットです。

地中海ダイエットもDASHダイエットも高血圧や心臓病、脳卒中などの心血管疾患のリスクを減らすことがわかっています。

面白いことに、この2つの食事法の組み合わせ(マインド食)を良く守ったグループは、アルツハイマー型認知症の発症リスクを53%が低下させることが明らかになったのです(別の記事「認知症を予防するマインド食とは」)。

MIND食では、脳に良い食品群10品目と、脳の健康に良くない避けるべき食品群5品目の計15項目を挙げました。

「脳に良い食品群」として挙げられた10品目とは、緑葉野菜、その他の野菜、ナッツ類、ベリー類、豆類、全粒粉、魚、鶏肉、オリーブオイル、ワインなどを挙げています。

その一方で、脳の健康に良くない食品5品目を以下のように示しています。

認知症予防のために避けるべき食品

  • 赤身の肉(red meats)
  • バターマーガリン(butter and stick margarine)
  • チーズ(cheese)
  • デニッシュ類の菓子パンやスイーツ(pastries and sweets)
  • 揚げ物ファストフード(fried or fast food)

パンにはマーガリンやバターが付きものです。

まず、菓子パンはバターやマーガリンが練り込まれ、砂糖がたっぷり使用されているスイーツみたいなものです。

パンを食べる習慣は、アルツハイマー型認知症に促進的に働く恐れのある5品目をもれなく食べる習慣につながりますよね。

例えばホテルの朝食を想像してください。ハムやソーセージ、デニッシュパンにバター、サラダにはチーズ。

そして、間食にスイーツ。お昼はハンバーガーやフライドポテト。

若い人であってもこのようなカタカナ語で書かれるような朝食ファーストフードを頻繁に食べる習慣のある人、菓子パンや甘いお菓子などの間食の多い人は、要注意です。

アルツハイマー型認知症は、中高年に急に発症すると思われがちですが、若い頃からの良くない食習慣を継続することで、10年後、20年後に発症するものだからです。

(Photo by RitaEによるPixabayからの画像

特にパンにチーズと赤身肉をはさんだチーズバーガーに、揚げ物のフライドポテトの組み合わせはヤバすぎると思いませんか?


7.中毒性(依存性)がある

これまで述べたように、パン食は食べ続ける習慣は、血糖の急激な上昇、高血圧・糖尿病など生活習慣病のリスク、認知症やがんのリスクがあがる、アレルギーの原因になったりなど、健康に悪い影響が心配されます。

手軽でおいしいパンは、そもそも止めようとは思いませんし、知らない間にパン依存症になって、摂り続けてしまうというこわい側面があるのです。

〝パン中毒(パン依存症)〟になっていませんか?

焼き立てのパンの香り、トーストしたパンのにおい、バターと甘いシュガーの焼けた香ばしいにおい。想像しただけで食べたくなりませんか? 

以下のような症状はありませんか?

  • 街のパン屋さんのウィンドウに並んだいろんな形や色のパンを見ただけですぐにでも食べたくなる。
  • 街角で香ばしい焼き上がりのにおいが漂ってくると衝動的に買ってしまう。
  • 太るのではないかと気にしながらも、お気に入りのパンを毎回買ってしまう。
  • パンを食べると何となく体調が悪くなるのを自覚しながら、止められない。

こんな症状は、パン依存症に陥っている証拠かもしれません。

食品にも依存性・中毒性の高いものがあり、おいしい、幸せだと感じる食物は、モルヒネなどの薬物同様、依存性を生じやすいことが知られています。

パンは毎日食べても飽きないし、食べると幸せを感じ、また食べたくなります。

そして、おいしくて、安くて、便利で、簡単に手に入り、日もちがする、そしてリピートしたくなります。

ここでは中毒に陥りやすい(依存性を高めやすい)食品の特徴と、パンとの関係について紹介します。

中毒性を引き起こす食品の特徴

ミシガン大学で Amazon MTurkを通じて募集した384名の一般人を対象に、35の食品の中からどれが中毒性が高いかを調べた研究結果が明らかにされています。

その結果、食物中毒に陥りやすい食品は、ピザをトップに以下の通りでした:

【食物中毒に陥りやすい食品トップ10】

1.ピザ (4.01)

2.チョコレート (3.73)

3.ポテトチップ (3.73)

4.クッキー (3.71)

5.アイスクリーム (3.68)

6.フライドポテト (3.60)

7.チーズバーガー (3.51)

8.ソーダ(炭酸飲料)(3.29)

9.ケーキ (3.26)

10.チーズ (3.22)

括弧内の数値は、1(全く中毒性がない)から7(非常に中毒性がある)までの評価をポイントで表したもの

Which foods may be addictive? The roles of processing, fat content, and glycemic load〟EM Schulteら、PLOS ONE, 2015

35項目の中には、ロールパン(プレーン)が13位に、マフィンが18位に入っていましたが、注目すべきは中毒性の高いベスト10の特徴です。

35の食品の中で中毒性の上位にランクされたものの特徴は、砂糖や小麦など高度に精製された糖分脂質の組み合わせや、砂糖類を多く添加した加工食品でした。

一方中毒性の低い食品は、1位から順に、キュウリ (1.53)、ニンジン (1.60)、マメ類 (1.63)、リンゴ (1.66)、玄米 (1.74)、ブロッコリー (1.74)、バナナ (1.77)、サーモン (1.84)、トウモロコシ (バターや塩を付けないもの) (1.87)、イチゴ(1.88) でした。

これらは、いずれも加工度が低く、油や糖を加えないものです。

お気付きとは思われますが、「小麦+砂糖+脂肪」の組み合わせは、パンと一緒です。

パンは、高度に精製された砂糖や小麦を使用し、バターやマーガリンを練り込んで焼きあげるものです。

さらに、トーストしてマーガリンやバター、ジャムなどを塗ったり、チーズをのせて焼いたり、好みに合わせて食べ方も自由自在ですね。

ピザトーストは1位のピザそのものですし、2位のチーズバーガーは、バンズ(丸いパン)に肉とソースとチーズをはさんだものです。

クリームやジャムなどが中に入っている菓子パンは、9位のケーキに近い感覚ですよね。

パンは、まさしく依存性・中毒性に気をつけるべき食品といえます。

つじ丸

パン食が好ましくない7つの理由について述べました。

この記事で述べた通り、パンは、おいしくて、安価で、購入しやすく、保存性があるなど便利な反面、

高GI食で、食物線維が少なく、グルテンを含み、トランス脂肪酸を摂取しやすく、発がん性が疑われるアクリルアミドを摂取しやすい、認知症のリスクが上昇する、中毒性(依存性)がある

など、いろいろな健康上の問題があることを述べました。

あまりにもパン食に傾いた食生活は好ましくないため、私たちは健康を維持するためには食べる頻度を減らしたり、日本食中心の食事を意識した食生活に戻す努力が必要でしょう。

また、何か慢性疾患的な症状を抱えている人は、パンや小麦製品が問題ではないか、一定期間パンを食べない生活を試してみることもお勧めします。

この記事を見て、どう行動するかはあなた次第です。

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