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ランニングで脂肪肝が治った!

はじめに

「脂肪肝」とは

脂肪が肝臓に沈着した状態です。過剰なエネルギーは、中性脂肪に置き換えられ、脂肪組織に蓄えられます。それだけではなく、肝臓の細胞の中に脂肪滴として沈着することがあり、進行すると肝機能障害を引き起こし、肝炎→肝硬変→肝細胞癌に進展してしまう危険のあるなめると怖い病気です。

実は、日本人の検診を受ける人の3人に1人が脂肪肝で、しかも統計上年々増加傾向にあり、そのうちの10人に1人が脂肪肝を原因とする肝炎と言われています。

これって、ガチョウに飼料を管で無理やり流し込んで、肝臓に脂肪を沈着させて食材とする「フォアグラ」の状態ですね。

ここでは、ランニングでその脂肪肝を克服した私の例をご紹介しましょう。

脂肪肝と肝機能異常の原因は・・・

私の場合、以前から肝機能の数値(ASTとALT)がやや高いことを指摘されていましたが、B型肝炎やC型肝炎のウイルスは陰性であり、あまり気にしていませんでした。ビールは1日に缶ビール一日350mL1本〜2本程度でだったので、アルコールだけが原因ではなく、明らかに食べ過ぎと運動不足です。

肝機能異常を指摘された時、同時に超音波検査で、脂肪肝が指摘され、おまけに中性脂肪とコレステロール値も高かったのです。

これはまずい。お腹が出ているだけじゃなかった。顔が真ん丸になっただけでもなかった。

これを一つのきっかけにランニングに取り組むことにしました。

脂肪肝が良くなっていた! そして血液検査も正常化

ランニングを始めて半年が経った頃、職場の健診の結果脂肪肝がすっかり良くなっていました。そして、中性脂肪もコレステロールも基準値内になりました。ランニングをはじめてから半年ほどの話です。改善した原因は、ランニングを習慣にしたことといってほぼ間違いありません。

極端な栄養障害の時に脂肪肝になる場合もあるのですが、「過剰なエネルギーが消費されずに行き場をなくした状態」が改善されれば、脂肪肝は自然に良くなるものですね。

しかし、健診を受けず、または受けても異常を無視していれば、やがて深刻な肝機能障害を引き起こしていたかもしれません。

検診は地味に有り難い!

脂肪肝は糖尿病の原因にもなる!?

脂肪肝は肝細胞に脂肪が沈着することにより、肝臓の細胞のはたらきを低下させてしまいます。

消化管で吸収された栄養は、門脈という静脈を経由して肝臓に運ばれ、そこで身体の中で使用しやすい形に変換します。つまり肝臓には工場のような働きがあるのですね。

特に、ブドウ糖はインスリンの働きにより肝細胞内に取り込まれ、グリコーゲンという形で蓄えられます。

ところが、脂肪肝があると、膵臓が一生懸命インスリンを出しても、ブドウ糖が取り込まれず、血糖が上がりやすくなります。これを「インスリン抵抗性」(= インスリンが効きにくくなった状態という意味)といいいます。

糖尿病は脂肪肝の原因になると言われていますが、脂肪肝そのものによりインスリンが効きにくくなり糖尿病を悪化させます。

脂肪肝は、肥満とも関連が深く、日本人のデータでは、BMIが25を超えると6割に、BMIが28を超えると8割以上に脂肪肝が認められたというデータもあります。

筋肉を増やすことが大切!

ブドウ糖がグリコーゲンとして蓄える細胞として重要なのは、肝臓のほかに筋肉です。筋トレや運動のいいところは、筋肉が増えてブドウ糖が取り込まれる余地が増えることです。

有酸素運動であるランニングのいいところは、下肢を中心とした筋肉を維持できて、しかも、余計なカロリーが消費され、体重が減り、しかもインスリンが効きやすくなるので、脂肪肝にも糖尿病にも効果があるということになります。

【まとめ】

  • 過剰なカロリーの摂取と運動不足が脂肪肝の原因になる。
  • 脂肪肝を放置すると、肝炎、肝硬変、肝細胞癌に進行する危険性がある。
  • 肥満と密接な関係があり、糖尿病が悪くなる原因にもなる。
  • ランニングなどの有酸素運動で、筋肉を付けながら余分なカロリーを消費し、糖尿病も予防しよう。

参考までに

肝細胞に脂肪が沈着した状態を医学的には、「非アルコール性脂肪性肝疾患 (non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)」(ナッフルD)といいます。アルコールが原因となっていないもので、超音波検査やCTなどで「脂肪肝」の状態があり、ほかに明らかな原因のないものです。

NAFLDには次の二通りがあります:

  1. 単に脂肪が沈着した単純性脂肪肝「非アルコール性脂肪肝 (non-alcoholic fatty liver:NAFL)」(ナッフル)
  2. 肝臓に慢性的な炎症を来してしまう「非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)」(ナッシュ)
    ※ 特に後者のNASHは、NAFLDの1割程度ですが、肝硬変、肝癌に進行する危険な脂肪肝です。

アルコールの飲み過ぎは、中性脂肪の合成を促して脂肪肝の原因になりますから、「食べ過ぎ」「飲み過ぎ」「運動不足は」は、最悪なんですね。

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