はじめに
ランニングでやせようと考えているならば、決して結果を急いではいけません。
短期間に結果を出すことを期待すると、モチベーションが失われます。
短期間にやせたとしても、長続きしなければ何にもならないからです。
ランニングは継続することができれば必ず健康的にやせられます。
ここでは、短期に体重を減らすことよりも、まず「継続すること」にフォーカスした、重要な8つのポイントについてお話します。
1.まずはウォーキングから始める
体重が重い人がいきなり長距離を走ると必ず膝が痛くなります。これは、膝周囲の筋肉と靭帯が鍛えられていないため、膝関節が不安定なのが一因です。
この状態で無理が続くと、膝関節自体を壊して水が溜まることになります。そうなると、歩くことも辛くなりますし、関節の炎症がひどくなると運動自体ができなくなる危険もあります。
BMIが25を超えている方、運動不足で太っていると自覚のある方、膝を壊した経験のある方は、まずウォーキングからはじめることをおすすめします。

2.苦しくなったら歩けばいい!と気楽に取り組む
からだを適度に動かして汗をかくと、なんだかサッパリすることがありませんか?
私は、汗をかいたあと、とても清々しい気分になります。
多くの人にとって本来からだを動かすことは楽しいことです。苦しさを過度に感じなければ…の話ですが。
適度な運動をすると、βエンドルフィンなどの脳内麻薬が分泌され、高揚感や幸福感を味わうことができるからだと言われています。
一方、やり過ぎると疲労感が残ったり、ケガの原因になるので、どのくらいが「適度」なのかというのが問題ですね。
ですから苦しいと思う時間帯をできるだけ短くするのがポイントです。苦しくなったら歩いてもいい。
歩いていて走れそうになれば、また走ればいい。
ただ「ほんの少しずつ、距離を伸ばし、時間を延ばすこと」
苦痛を感じないで30分以上からだを動かし続けられるようになればしめたものです。
◾️1週間ごとのメニューの具体例:
- 第1週〜第2週:20〜30 分間を目標にウォーキング(徐々に時間を長く)
- 第3週:5分間ジョギング+10分間ウォーキング を2セット(total 30分)
- 第4週:10 分間ジョギング+5分間ウォーキング を2セット(total 30分)
- 第5週:15 分間ジョギング+ 5分分間ウォーキング を2セット(total 40分)
- 第6週:20 分間ジョギング+ 5分分間ウォーキング を2セット(total 50分)
- 第7週以降:30分間を目標に連続してジョギング
徐々に走る時間を延ばし、歩く時間を短くすれば、30分走れるようになります。
ジョギングと表記しているのは、走るスピードがウォーキングよりちょっと速い程度のゆっくりとしたペースと言う意味合いです。
いずれも苦しくなったらペースを落とすなり歩いても構いません。
特に習慣化するまでは、楽しむこと、継続することを目標にします。
「苦しくなったら歩けばいい!」と気楽に取り組みましょう。

3.短期間に結果を求めない
短期間で結果を求めると、ついつい頑張りすぎてしまいます。そうすると、故障や痛みの原因になり、楽しさが失われてしまいます。
楽しさが足りないと、走りたくない気持ちが脚を引っ張ります。
ランニングで健康的に痩せるためには、継続が必要です。
継続するためには、できるだけハードルの低い簡単な課題から始めることです。
頑張らなくてもできるようになれば、継続できるチャンスができます。
これから走ろうという人は、これまでの心地よい場所(comfort zone)から一歩外に出ようとする人です。ところが、心地よい場所からはみ出そうとすると、居心地が悪いため、潜在意識は元のconfort zoneに連れ戻そうとします。
• 簡単すぎるくらいの目標を目の前にぶら下げて少しずつ前に進む。すると無事に目標をクリア出来るだけではなくそれ以上にこなせることもある
• 「小さな習慣」という考え方は人生哲学でもあり、何をするにも一番大切なのは最初の一歩である
• 「小さな習慣」の基本は、こんなに簡単で良いのかと思える程度の課題を自分に与え、ほんの僅かな意志の力で実行することである(『小さな習慣』スティーヴン・ガイズ 著 )
新たな習慣が身に付くまでにの平均日数は66日で、実際は18日から254日とかなり幅があったという研究があります。
体重が減るという結果は、2−3か月継続して少しずつ現れると考えましょう。
短期間に結果を求めないこと、そして頑張りすぎないこと。
これがランニングを継続するポイントです。
4.毎日走る必要はない
毎日走るのを目標にすると、間違いなく挫折します。
挫折する理由の一つは、目標を達成できないために、自己イメージが低下しやすいからです。
目標が達成できないことが続くと、「やっぱり私はダメ」、「何をやっても続かないなぁ」など、自分を否定的に感じてしまいます。
走ることを職業にしない限り、何らかの仕事をしている多くの人は、何か走れない理由ができます。今日はちょっとお腹の調子が悪いとか、天候が悪いとか、二日酔いで気分が悪いとか、寝坊したとか残業があったとか。
できない理由は、いくらでも考えることができます。
また疲れている時は、無理して走るべきではありません。
私の経験上「週3回を目標にして、2回でもOK」とする程度で十分だと思います。
そうすることで、無理のないペースで実績を積み重ねていくのがベターです。
ですから、毎日走る必要はないし、毎日走るべきでもないのです。
さらに、実際ランニングを継続できていることを自分で確認できれば、さらに自己イメージが改善し、自信につながり、習慣化することにつながります。
次に目標達成、習慣化のためのツールをご紹介します。