全身麻酔では麻酔医が気管内挿管を行い呼吸管理を行います。
その際、喉頭鏡を使って口から喉頭の入り口を直視しながら、管を挿入するのですが、前歯などがぐらついていると、これを損傷したりする危険があります。
また、歯槽膿漏などの歯周病で口腔内の衛生環境が悪いと口の中に雑菌が増殖しやすく、術後の呼吸器感染症のリスクとなります。
ですから、手術前にはそのチェックをするとともに必要な口腔内の状態を改善し手術まで維持しておく必要があります。
実際、歯科医や歯科衛生士は、術前に専門的な器具による歯面のクリーニングPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)などにより、口腔内の細菌の量を減らし、正常な状態に近づけるようにします。
そして、手術直前まで口腔内のよい状態が維持するために、患者自身が手術まで正しい口腔ケアを継続できるよう指導してくれるのです。
ですから、歯科受診を促され口腔内の清掃や指導を受けることになっているのですね。
まとめ
全身麻酔の術前に歯科受診をすすめられる理由は
- 気管内挿管時のぐらついた歯などの損傷リスクや、歯周病の有無をチェックするため
- 専門的歯面清掃などにより、口腔内の細菌の状態を改善し、術後の感染症リスクを低減するため
- 手術直前まで口腔内の衛生状態が保たれるよう患者自身による口腔ケアを指導するため